はじめに

AIを検索や文章作成に使ったことはあっても、悩みごとを打ち込むとなると何を書けばいいか分からない、という方もいるかもしれません。

最初に送る文を4つのまとまりに分けて書くと、返ってくる文が変わります。

この記事では、その4つに何を書くかと、試した結果と、返ってきた文のどこを見るかを説明します。

どのサービスを選ぶか、悩みの分野ごとの事情は書きません。

AIは書いていない語を足すことがあり、どうすればよいかまで書いてくることもありますが、それが正しいという保証はありません。

書いてくるのは一般にありうることで、自分の事情に合わせたものではありません。

実際にどうするかは、自分が決めることになります。

診断や、状況に応じた専門的な判断が必要な場面では、専門の窓口や信頼できる人の力を借りてください。

AIへの悩み相談そのものについては、『はじめてAIに悩み相談をする前に知っておきたいこと』にまとめています。

4つに分けて書く手順が向く場面・向かない場面

頭の中にあることを文字にする作業を想定しています。

次のようなときに向きます。

  • 気になっていることが多くて、何から書けばいいか分からないとき
  • 人に話す前に、自分の言葉にしておきたいとき
  • いま抱えていることを、いったん並べておきたいとき

一方、次のようなときは向きません。

  • 制度や法律、医療の情報など、事実を確かめる必要があるとき
  • 今日中に決める必要があり、時間の余裕がないとき
  • 自分では思いつかない選択肢を挙げてほしいとき

事実を確かめる話であれば、公式の情報源にあたります。

急ぎの話であれば、人に連絡します。

AIに選択肢を挙げてもらうには、別の頼み方があります。

どんな悩みがAIに向くかは、『AI相談に「向いている悩み」と「向いていない悩み」』で扱っています。

最初に送る文を4つに分けて書く

プロンプトを載せる前に、入力の内容について確認していただきたいことがあります。

入力する前に確認してください

  • 実名・勤務先・学校名・住所・病名・口座情報などは入力しないでください。
    「30代・会社員」「上司A」のように置き換えて書きます。
  • 入力内容をAIの学習に使われたくない場合は、その設定になっていないか確認してください
    (設定方法は各サービスの公式ヘルプで確認できます)。
  • 家族や同僚など、第三者の個人情報も同様に置き換えてください。
  • 出力された内容は、そのまま事実として扱わないでください。制度・法令・医療の情報は
    必ず公式の情報源で確認してください。

何を入力しないほうがよいかは、『AIへの悩み相談で入力しないほうがよい情報』で具体的に挙げています。

プロンプト

最初の1通は、役割・状況・お願い・守ってほしいことの4つに分けて書きます。

以下はそのままコピーして使えます。

あなたは、私が書いたことを読んで、内容を書き出す役割です。診断や評価はしません。

# 私の状況
【ここに、いま気になっていることを3〜5行で書いてください。実名・勤務先・学校名・
病名は書かず、「30代・会社員」「上司A」のように置き換えてください】

# お願いしたいこと
上の内容を読んで、次の2つを書いてください。
1. 私が書いたことを、1つずつ短い文に分けて書き出したもの
2. 話を進めるために私に聞きたいこと(3つまで)

# 守ってほしいこと
- 解決策や助言を書かないでください
- 私の気持ちや状態を言い当てたり、評価したりしないでください
- 私が書いていないことを推測で足さないでください

4つのまとまりには、それぞれ役割があります。

  • 1行目(役割):何をする役かを先に指定します。何をしないかも同じ行に書きます
  • 私の状況:【 】の中を自分の文に差し替えます。置き換えの指示を【 】の中に入れているのは、この記事を読み飛ばしても目に入るようにするためです
  • お願いしたいこと:出してほしいものを数で区切ります。「まとめてください」だけでは、何が返るかが定まりません
  • 守ってほしいこと:AIにしてほしくないことを書きます。この4行を外して送った回もあり、結果はあとの章に書いています

実際に試した結果

以下は、筆者が設定した架空のケースです。実在の相談ではありません。

【 】の中に、次の文を入れて送りました。

30代・会社員です。いまの部署に3年いて、別の部署への異動希望を出すかどうか迷っています。
仕事の内容そのものが嫌なわけではありませんが、いまのやり方を続けても身につくものが
増えない気がしています。上司Aに相談すると希望を出す前提で話が進みそうで、まだ決めて
いないとは言い出しにくいです。希望の提出期限は来月末です。

検証の条件は、3サービスで揃っていません。

検証日プラン画面に表示されていたモデル
ChatGPT2026年8月2日有料表示なし(応答性能から「高い」を選択)
Claude2026年8月2日有料Sonnet 5
Gemini2026年8月2日無料3.6 Flash

ChatGPTは、選択中の項目にモデル名が表示されていませんでした。

分からないため、分からないと書いています。

3サービスとも、個人で使うアカウントで試しました。

会社や学校が配布するアカウント、開発者向けの窓口(API)で同じ結果になるかは、試していないため分かりません。

また、ChatGPTとClaudeは有料プランでのみ試しており、無料の範囲でどうなるかは試していません。

以下は、返ってきた文をそのまま載せたものです。

文言は変えていません。

箇条書きの記号だけ、当サイトの表示に合わせています。

なお、載せているのは、筆者が行った4回の入力のうち1回分です。

ほかの回は、起きたことを本文で説明しています。

ChatGPT

前置きはなく、書き出しから始まりました。

書かれていること

  • 30代の会社員です。
  • いまの部署に3年います。
  • 別の部署への異動希望を出すか迷っています。
  • 仕事の内容そのものが嫌なわけではありません。
  • いまのやり方を続けても、身につくものが増えない気がしています。
  • 上司Aに相談すると、異動希望を出す前提で話が進みそうです。
  • まだ決めていないと上司Aに言い出しにくいです。
  • 異動希望の提出期限は来月末です。

聞きたいこと

  • 異動を希望するとしたら、どの部署を考えていますか。
  • 異動先で身につけたいことはありますか。
  • 上司Aには、いまのところ何を伝えていますか。

Claude

こちらも前置きはありません。

書き出しの文末が「〜である」に変わっています。

書いたことの書き出し

  • 30代・会社員である
  • いまの部署に3年いる
  • 別の部署への異動希望を出すかどうか迷っている
  • 仕事の内容そのものが嫌なわけではない
  • いまのやり方を続けても身につくものが増えない気がしている
  • 上司Aに相談すると、希望を出す前提で話が進みそうである
  • まだ決めていないとは言い出しにくい
  • 希望の提出期限は来月末である

話を進めるために聞きたいこと(3つまで)

  • 「身につくものが増えない」と感じるのは、具体的にどんな場面や業務のときですか。
  • 異動希望を出す場合と出さない場合、それぞれで気になっていることは何ですか。
  • 上司Aに「まだ決めていない」と伝えられないのは、どんな理由からですか。

Gemini

前置きが1文あります。

頼んだこと以外はしない、という趣旨の文です。

ご提示いただいた内容を読み込みました。診断や評価、アドバイスを行わず、ご依頼いただいた2点のみを記載します。

書かれていたことの書き出し

  • 30代の会社員であること。
  • 現在の部署に3年いること。
  • 別の部署への異動希望を出すかどうか迷っていること。
  • 仕事の内容そのものが嫌なわけではないこと。
  • 現在のやり方を続けても身につくものが増えない気がしていること。
  • 上司Aに相談すると、異動希望を出す前提で話が進みそうであること。
  • まだ決めていないとは言い出しにくいこと。
  • 異動希望の提出期限が来月末であること。

話を進めるために聞きたいこと

  • 異動先として検討している部署や、興味のある業務領域は具体的にありますか?
  • 「身につくものを増やしたい」と考えているのは、どのようなスキルや経験ですか?
  • 上司A以外の人物(他の信頼できる同僚や人事など)に相談できる環境はありますか?

この記事に掲載したAIの出力は、当サイト「はじめてのAI悩み相談」の筆者が、検証のために取得したものです。

うまくいったところと、うまくいかなかったところ

同じ入力から、3サービスとも8つの項目が返りました。

ここでは、そろったところと、そろわなかったところを分けて書きます。

3サービスでそろったところ

3サービスとも、解決策や助言は返ってきませんでした。

「迷っておられるのですね」のように気持ちを言い当てる文も入っていません。

質問は3つ以内に収まりました。

【 】を埋めずに送った回でも、3サービスとも架空の悩みを作りませんでした。

記入を促す文が返っただけです。

書きかけのまま送ってしまっても、AIのほうで中身を埋められることはありませんでした。

書き出しは、入力した文の写しではない

書き出しは、入力した文の写しではありません。

文末や語が変わっています。

入力した文返ってきた文
まだ決めていないとは言い出しにくいですまだ決めていないと上司Aに言い出しにくいです(ChatGPT)
まだ決めていないとは言い出しにくいですまだ決めていないとは言い出しにくいこと(Gemini)

誰に言い出しにくいのかを、筆者は書いていません。

ChatGPTはそれを補いました。

入力に書いていない語が1つ増えています。

Geminiは、質問の3つ目に「他の信頼できる同僚や人事など」を挙げました。

同僚も人事も、筆者は書いていません。

前置きには、頼んだこと以外はしないと書かれていました。

それでも、この語は入っています。

短い入力(1文だけ)で試した回では、Geminiの書き出しが「あなたは30代です。」の形になり、入力にない主語が4つの項目すべてに足されました。

同じサービスでも、入力の長さで結果が変わります。

「守ってほしいこと」を外して試した回

4行を丸ごと削って同じ入力を送ったところ、結果は分かれました。

ChatGPTとClaudeでは、助言も気持ちの言い当ても、推測での追加も入りませんでした。

この2つでは、行の有無で大きくは変わりませんでした。

Geminiでは変わりました。

以下は書き出しからの抜粋です。

現在の進め方を続けても、得られる知識やスキルが増えないように感じていること

筆者が書いたのは「いまのやり方を続けても身につくものが増えない気がしています」です。

「感じていること」に変わり、語の置き換えも増えました。

この行を入れれば書き換えがなくなる、という結果ではありません。

行を入れた回でも、Geminiの書き出しは文末が「〜こと」に変わっていました。

なお、ChatGPTの書き出しは、行を入れた回にだけ「上司Aに」が入り、外した回には入っていませんでした。

どちらが原因かは、この検証では分かりません。

返ってきた文をどこまで確かめればよいかは、『AIの回答はどこを確かめればよいか』で扱っています。

自分の状況に合わせて書き換えるところ

このプロンプトで書き換えるのは3か所です。

ほかの行は、変えずに使えます。

  • 【 】の中:自分の状況に差し替えます。置き換えの指示ごと消して構いません
  • お願いしたいこと:2つの項目を増やしたり減らしたりできます。「まだ分かっていないこと」を3つ目に足す形もあります
  • 守ってほしいこと:足すことができます。検証では、書き出しに主語や相手が加わる例がありました。「主語を足さないでください」と書き添える方法があります

送ったあと、どこまで続けるか

1通目を送ったあとにできることは、2つあります。

書き足していくことと、切り上げることです。

2通目に何を書くか

返ってきた書き出しを読んで、自分が書いたことと違う箇所を探します。

違いが見つかったら、その項目を指して「この行は、私が書いたことと違います」と送り返します。

返ってきた質問に答えて送り返すこともできます。

この形は今回の検証では試していないため、何が返るかは確かめていません。

切り上げる目安と、そのあとに向かう先

やりとりを続けるかどうかは、返ってくる文の様子で決められます。

次の2つが出てきたときは、AIとのやりとりでできることは、そこまでです。

1つは、書き出しに新しく足すことがなくなったときです。

このあとは画面を閉じて、書き出された文を読み返す時間にあてられます。

人に話すつもりであれば、その文をそのまま持っていくこともできます。

AIが返してくるのは、自分が書いたことを短い文に分けて並べたものです。

自分が持っていない選択肢が出てくるわけではありません。

書き出しただけでは足りず、そこから先を考えたい場合は、往復を重ねる頼み方があります。

『AIと壁打ちをするプロンプト』で扱っています。

もう1つは、制度・法律・医療の話になったときです。

このあとは、公式の情報源で確かめます。

書き出しを毎日続けることは勧めません。

書き出しは、人に話す前や、自分で読み返すために行う作業です。

人に話を聞いてもらうことの代わりにはなりません。

まとめ

最初に送る文を、役割・状況・お願い・守ってほしいことの4つに分けて書きます。

3サービスで試したところ、助言も気持ちの言い当ても返ってきませんでした。

一方、書き出しは入力した文の写しではなく、語尾が変わったり、書いていない語が足されたりしていました。

返ってきた書き出しは、自分が書いたことと照らし合わせて読みます。

違う箇所を見つけたら、指して送り返します。

制度や法律の話になったときは、公式の情報源で確かめてください。

一人で抱えきれないときは

AIは、自分の中にはなかった材料を出してきますが、人の代わりにはなれません。

話を聞いてもらいたいとき、相談先を探したいときのために、専門の相談窓口があります。

匿名で相談できる窓口もあります。

相談窓口一覧に、電話・SNS・チャットの窓口と、10代・20代向けの窓口をまとめています。

急を要すると感じたときは、救急・警察に連絡してください。迷ったときに連絡してかまいません。判断は受け手がします。

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