はじめに
ChatGPTなどのAIを、調べものや文章づくりでは使ったことがあっても、悩みごとを相談する相手としては使っていない、という方もいるかもしれません。
AIに悩みを相談すると、自分が持っていない選択肢や情報が返ってきます。
AIに頼めるのは、選択肢や情報を出してもらうことです。
答えを出させることは頼めません。
急を要する場面にも使えません。
当サイトが扱うのは、AIに何をどう相談すればよいかと、AIにできないことだけです。
制度や法律そのものは解説せず、公的機関の情報源をご案内します。
AIが出す選択肢は、一般にありうることであって、その人の事情に沿ったものではありません。
回答に入るのは、書いて伝えたことだけです。
どれをすすめるかまで書いてくることもありますが、その内容が正しいとはかぎりません。
実際にどうするかは、自分が決めることになります。
診断や、状況に応じた専門的な判断が必要な場面では、専門の窓口や信頼できる人の力を借りてください。
この記事の使い方
この記事は、最初から順に読む必要はありません。
知りたいところだけを読んでも用が足りるように書いています。
AIに悩みを相談してよいのか迷っている段階であれば、次の「AIに悩みを相談するとはどういうことか」から読んでください。
相談すると決めていて手順を知りたい場合は、後半の「相談の進め方」まで飛ばしていただいて構いません。
なお、この記事で述べるのは一般的な傾向です。
AIの具体的な挙動はサービスやモデルによって差があり、更新によっても変わります。
当サイトで実際に試した記録は、個別の記事に分けて掲載します。
AIに相談するかどうかとは別に、人に相談したい場合の窓口があります。
相談窓口一覧に、電話・SNS・チャットの窓口をまとめています。
この先を読む前に、そちらをご覧いただいても構いません。
AIに悩みを相談するとはどういうことか
この章では、AIに悩みを相談したときに返ってくる回答を扱います。
AIの2種類の回答
AIの回答には、2種類のものが混ざっています。
自分が持っていない選択肢や情報
1つは、自分が持っていない選択肢や情報です。
「こういう場合があります」という形で、自分では思いつかなかった選択肢を出してきます。
並んだ選択肢と自分の状況を見比べて、近いものは使い、遠いものは外していきます。
自分が書いたことが形を変えて返ってくるもの
もう1つは、自分が書いたことが形を変えて返ってくるものです。
思いついた順に書いたことを、AIが内容ごとに分けて返してきます。
返ってきたのは自分が書いたことであり、AIが持ってきたものではありません。
読んでみて、自分が言いたかったのはこれではない、と分かることがあります。
そう分かったなら、次はそこを書き足せます。
(※AIへの頼み方については、次の「AIに相談する前に決めておくこと」で扱います。)
AIの回答は一般的な話
AIが出してくるのは一般的な話であって、その人の事情ではありません。
回答に入るのは、書いて伝えたことだけです。
AIは、事情を理解したうえで答えているわけではありません。
もっともらしく読める文章が返ってきても、確かめたうえで出されたものではありません。
自分で判断する
AIが、どれをすすめるかを書いてくることもあります。
ただし、その内容が正しいとはかぎりません。
すすめられたとおりにするかどうかは、自分が決めることになります。
AIに相談することは、人に相談することの代わりにはなりません。
人に話す前に、何を相談したいのかを決めるところまでは、AIで進められます。
AIに相談することが人に相談することの代わりにならない理由は、『なぜAIに悩みを相談するのか』で扱っています。
AIに相談する前に決めておくこと
AIに相談する前に決めておきたいことが3つあります。
ここでは要点だけを示し、詳しくは記事を分けています。
AIの悩み相談で「AIに頼めること」と「AIに頼めないこと」
悩みの内容そのものよりも、AIに何をしてもらうかで向き不向きが決まります。
同じ悩みでも、頼み方によって使える場面と使えない場面に分かれます。
AIに頼めること
AIに頼めるのは、次の2つです。
1つは、自分が持っていない選択肢や情報を出してもらうことです。
もう1つは、書いたことを内容ごとに分けてもらうことです。
どちらも決めることそのものではなく、決める前の作業にあたります。
AIに頼めないこと
AIに答えを出させることは頼めません。
- 自分の状態がどうなのかを判定させる
- 法的にどうなるかの見通しを出させる
- 急いで動くべきかどうかを決めさせる
こうした頼み方をしても返答は返ってきますが、返ってくるぶん、かえって危うい使い方になります。
詳しくは『AI相談に「向いている悩み」と「向いていない悩み」』にまとめています。
AIに入力しないほうがよい情報
AIに書いた内容は、サービスを提供する会社に送られます。
保存される期間や、人が確認するかどうかは、サービスによって違います。
そのため、書かないものを先に決めておくことになります。
書かないほうがよいのは、自分や周りの人を特定できる情報です。
- 実名
- 勤務先や学校の名前
- 住所
- 口座や契約の番号
- 診断を受けている病名
家族や同僚など、第三者に関する情報も同じ扱いにしてください。
これらは省くのではなく、「30代・会社員」「上司A」「別部署のBさん」のように置き換えます。
AIはその会社や学校のことを知っているわけではないため、固有名詞を書いても回答が具体的になるとは限りません。
入力した内容がAIの学習に使われるかどうかは、サービスごとに設定が用意されている場合があります。
設定の場所と項目名はサービスの更新で変わるため、当サイトでは具体的な手順を書きません。
各サービスの公式ヘルプでご確認ください。
詳しくは『AIへの悩み相談で入力しないほうがよい情報』にまとめています。
AIの回答はどこを確かめればよいか
AIの回答は、確からしく読める文章として返ってきます。
「読みやすさ」と「正しさ」は別のものなので、分けて考える必要があります。
AIが出した選択肢は、正しいかどうかを調べる必要がありません。
合わないと感じたものを使わなければ、それで済むからです。
一方、事実として書かれている部分は、出どころを確かめてください。
- 制度の要件
- 法律の条文
- 手続きの期限
- 医療に関する記述
この4つについては、実際には存在しない制度や、古くなった条件がそのまま出てくることがあります。
法令であればe-Gov法令検索で条文を確認できます。
制度であれば、所管する官庁のサイトが一次情報にあたります。
誤りが出るかどうかにかかわらず、制度や法律、医療に関する記述が出てきたら確かめるようにしてください。
確かめ方の具体的な手順は、『AIの回答はどこを確かめればよいか』にまとめています。
相談の進め方
AIへの相談は、一度書いて終わりではありません。
返ってきたものを読んで、また書く、という進め方になります。
最初に押さえておきたいことが3つあります。
置き換える言葉を先に決める
1つ目は、置き換える言葉を先に決めることです。
実名は「30代・会社員」、相手の名前は「上司A」のように、書き始める前に決めておきます。
書きながら考えると、そのまま入力してしまうことがあります。
AIにしてほしいことを先に書く
2つ目は、AIにしてほしいことを先に書くことです。
状況だけを書いて送ると、選択肢がほしかったのに助言が返ってくることがあります。
「選択肢を挙げてください」「整理してください」のように、してほしいことを最初に置きます。
あわせて「解決策は提案しないでください」のように、AIにしてほしくないことも書いておきます。
次に何を書くかを決める
3つ目は、返ってきたものを読んで、次に何を書くかを決めることです。
事実として書かれている部分を確かめるのは、ここです。
どこを確かめるかは、前の「AIの回答はどこを確かめればよいか」で挙げたとおりです。
確かめたうえで、足りないところを次に書き足します。
ここまでの3つを一度やってみると、AIへの相談が自分に向いているかどうかを判断できます。
書き始めから送るまでの流れは、『AIに悩みを相談する基本の手順』で扱っています。
返ってきたものを見て次を書く、という往復を続ける進め方は、『AIと壁打ちをするプロンプト』で、そのまま使える文とあわせて扱っています。
AIに向かない場面と相談先
ここまでは使える範囲の話でした。
ここでは、AIではなく人に頼むほうがよい場面を挙げます。
制度を使えるかどうか、契約がどうなるか、体調をどう扱うか。
こうしたことは、資格を持つ人や担当する機関が扱います。
AIに相談しても、その場で決められることではありません。
AIから返ってきた内容をもとに動く前に、その機関で確かめてください。
当サイトは制度や法律の解説をしないため、必要な場面では所管する官庁の情報をご案内します。
その場で誰かの助けが要ると感じたときは、AIを開くより先に人に連絡してください。
連絡してよいかどうかを、自分で判定する必要はありません。
AIに相談すると、書いて送り、返ってきたものを読むまでに時間がかかります。
相談先を探す段階でAIに相談するのは構いません。
何を相談したいのかを先に言葉にしておくと、窓口ではその続きから話せます。
ただし、どの窓口に行くべきかをAIに決めさせないでください。
窓口の情報は変わることがあり、古い内容が返ってくることがあります。
窓口には、電話で受け付けているもの、SNSやチャットで受け付けているもの、10代・20代を対象にしたものがあります。
話すのが苦手だからテキストを選ぶ、という選び方をして構いません。
記事の最後にまとめてあります。
まとめ
AIに悩みを相談すると、自分が持っていない選択肢や情報が返ってきます。
AIに頼めるのは、選択肢や情報を出してもらうことです。
答えを出させることは頼めません。
急を要する場面にも使えません。
相談する前に決めておきたいのは、何を頼むか、何を入力しないか、返ってきた内容のどこを確かめるかの3点です。
この3つを決めておけば、あとは一度試して、自分に向いているかどうかを判断できます。
AIへの悩み相談を始める前に
AIへの悩み相談の基礎を4本にまとめています。
はじめてのAI悩み相談